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今回は 「ウィンダリア」の終盤について考察してみたい。

いつものごとく「ネタバレ」を含むので、見てみようかな?と思っておられる方はご注意を。
アーナスとジルの願いも空しく、イサとパロは全面戦争に突入してしまった。パロの軍勢は迷いの森を抜けてイサに進行してきた。迷いの森とは、人の心を迷わせ、幻を見せる森である。パロの軍はここでダメージを負ってしまう。やっとの思いで森を抜けたジルの前に立ちはだかったのは、イサを指揮するアーナスだった。


その頃、イズーはパロからひとつの使命を受けていた。
イズーもまた迷いの森を抜けて、イサに向かう。
しかし、イズーは迷いの森の幻に一切動じる事はなかった。
イズーの顔は以前の優しい顔つきではない。冷酷な決意を持ってイサに向かっていた。

イズーはイサの国の水門に向かった。水門番のピラール爺さんに「ここは若い者じゃないと無理だ!俺が代わってやるよ」と水門番を代わる。するとイズーは水門を開けた。序盤で自分が救ったイサの国を今度は自分が沈めようとしていた。みるみる水に沈んでいくイサの国。民は皆大聖堂に集まっていた。そこには避難したピラールもいた。もはや誰にも救う術は無かった・・・。

アーナスとジルは戦場で出会う。
アーナスはジルを森に呼び寄せる。アーナスは約束を破ったパロを責める。ジルは戦争を終わらせたいながらも、パロの歴史と言うプレッシャーから、どうしても軍を引く事が出来ない。

もう元の二人には戻れない、帰る所は無いと泣くアーナス。そして・・・、

ダァァァァァン!

一発の銃声が鳴り響いた。アーナスがジルを撃ったのだ。アーナスのターバンを引っ張りながら崩れて行くジル。
ターバンがほどけ長い髪がなびくアーナスが哀しく美しかった。
そしてアーナスは自らのこめかみに銃を押し当て引き金を引いた・・・。

燃える戦場全てが焼き尽くされウィンダリアの樹だけがいつもと変わらず立っていた。



戦勝国パロでは3ヶ月毎日祝いの花火が上がっていた。すっかり英雄気取りのイズーが上げさせていたのだ。マーリンのことも忘れ、毎日パーティー三昧。しかし、その日も終わりが来る。もはやイズーは邪魔でしかないパロの宰相がイズーを暗殺しようとしたのだ。命からがら逃げ延びるイズー。イサに戻り丘の上に登ってイズーが見たものは、

水の底に沈んだイサの国だった。

大聖堂の鐘が鳴ると鳥の姿になった人々の魂が、一斉に飛び立った。自分の罪に恐怖を感じ走って逃げるイズー。躓き転んだ時にマーリンから貰ったお守り(ナイフ)で指を切る。その時になってやっとイズーはマーリンの事を思い出すのだった。

懐かしい我が家に向かって歩き出すイズー。
そして家の前に着いた時、家から灯りがついた。

マーリンが出て来た。イズーはマーリンに何ももって帰れなかった事を謝る。しかしマーリンは

「何も無くてもいいのよ。だって約束を守ってくれたんですもの」

とイズーを許す。イズーは今度こそマーリンから離れないと約束する。しかし、

ボォォォォォォッ!

幽霊船の汽笛が鳴る。

マーリン 「幽霊船が呼んでいるわ。 何も思い残す事は無いわ。約束を守れたんですもの」

マーリンはすでに死んでいたのだ。イズーをこの家で待ち続けると言う約束の為だけにここに残っていたのだ。
マーリンは鳥の姿になり幽霊船へと飛び去ってしまう。

悲しみにくれるイズー。
イズーは自分には約束する資格が無いのかもしれないと思いながら、幽霊船の船長になってマーリンと一緒に暮らしていくと今度こそ誓うのだった。

イズーはただ一人生き残ってしまったのだ。

ウィンダリアの樹の下で一人泣き崩れるイズー。
そこに新居昭乃さんの歌、 『美しい星』が流れる。本当に綺麗で美しい歌だと思います。

この作品を私は20年近く前に見たのだが、昔は良く分からなかった。ただ何か心に引っ掛かっていた。そして、大人になって見直したとき、その悲しみが理解できた気がする。

イズーは酷い男だ。しかし、それは自分の姿でもある。私も若い時に、

「自分はこんな所で終わる人間じゃない!」

と根拠の無い自信を持っていた。きっと人を傷つけたりして来ただろう。しかしその事を深く考えるようになったのはつい最近である。国の重圧を背負ったジルを誰が責められるだろう。
犠牲となった二人の女性や多くの民が悲しくてたまらない。

この作品のテーマは『約束』だと思っている。
約束を守る事の大切さを伝えたいのだと思っている。

この作品はアニメ映画として、興行的には失敗だったと聞く。1986年、この年は宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』が大ヒットし、その影に隠れてしまった格好だ。

しかし私はこの作品ほど心を動かされたアニメは無い!もっと多くの人に見てもらいたい作品である。
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コメント
この記事へのコメント
私は当時子供ながらに、漠然と悲しいアニメだなと思っていたようです。
そして20年以上の年月とともに、内容を忘れておりました。
こちらの1-3を読んであらすじを思い出し、泣きましたよ。
イズーの心を自分の弱い部分と重ねてみれると、また違った印象になるのでしょう。
物語の流れとしては、つじつまが合わない部分も目立ちますがいい作品ですね。
宮崎駿が監督していたら、不朽の名作になっていたかもしれません。
実はアニメより先に文庫を読んでいます。それはもう感動しましたよ。
今度産まれてくる自分の子供には是非みせたいですね。
2010/10/25(月) 00:41 | URL | 通りすがり #-[ 編集]
ペールギュントみたいですね。
2011/01/25(火) 12:57 | URL | #-[ 編集]
アニメ大好きで夏休みの終わりにやってたなあ
毎年、29、30、31の3日間で宿題を終わらせる俺が、あの年は脱力感で宿題に手をつける事ができなかった…
2013/09/18(水) 21:53 | URL | #-[ 編集]
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